▢死後事務委任契約書の作成
概要 死後事務委任契約とは?
・亡くなった後の事務的な部分の手続きを行うことを約束した契約です。
例えば、親戚と疎遠になっている方や一人暮らしの方、または子どもがいない夫婦で通夜
片方が高齢で体が不自由な場合など、自分が亡くなった後の様々な手続きなどを行うことを
判断力もあり元気なうちに第三者と契約しておきます。
主に、
ⅰ死亡したことを親戚、友人や関係者へ知らせる(通知)
ⅱお葬式を行うこと
ⅲ埋葬、永代供養、年忌法要を主催すること
ⅳ生前の医療費などの未払い分を代理で清算する
ⅴ身辺の整理、年金・介護保険の各種届に関する事務
など そのほか多数(デジタル遺品の対処など)あります。
・デジタル遺品に関してはこれから法整備が進んでいくことが予想されます。
デジタル遺品には、純個人的なもの(昔の日記のような、相手に見られることを前提にしていないもの)や
遺族に絶対見られたくないもの、または絶対見てほしいもの、見ても見なくてもどちらでもいいもの、
と大きく分別されるのではないでしょうか。
親子間にしても夫婦間にしても、それぞれのアカウントやパスワードなどを
教えあっていることはあまりないでしょう。
今後より加速度的に「ICT(情報通信技術)」が発展していく時代、
デジタルの形で残された遺品の価値は、ますます高まっていくと考えています。
ですから、遺族に見てほしいものをまとめておくなど、生前からの準備がより大切になってくるかと思います。
上記ⅰ~ⅴに関することは、相続手続きとも違い、また、遺言事項ではないので
遺言書に書いても遺言執行されません。
単身世帯の増加、親戚間の関係性の希薄化がうたわれる昨今、
ひとつ検討する価値のある契約です。
また財産管理契約と任意後見契約と併せて死後事務委任契約を結んでおけばより効果的で安心です。
・任意後見で死後事務はできないか?
任意後見は、委任者(判断能力が欠けてきた人)を生前のサポートするものですので、
もちろん死後のサポートはできません。
家族への死亡の通知は任意後見人が善意で行ってくれるかもしれません。
(本人に身寄りがいない、親族が一切の引き取りを拒否する場合は、やむなく任意後見人が
遺体の引き取り、直送をせざるを得ない場合もありえる)
ですが、葬儀などの費用がかかることや医療費の清算の代理などは
死後事務委任契約を結んでおかなければ行うことができません。
・遺言書との関係
遺言書は法律で決められたことしか書き残すことはできません。それを遺言事項と言います。
遺言事項以外にも「付言」として、家族に対しての思いを書き綴ることはできますが、法的な拘束力はありません。
遺言で祭祀主宰者を指定しておき、死後事務委任契約では別の人を葬儀の主催者とすることを
契約していたとすると、話がややこしくなります。
ですので、死後事務委任契約を結び、仮に遺言も作成する場合は
その内容に矛盾・対立が内容にしなければいけません。
死後事務委任契約の本文中に、「ただし、遺言に特別の定めがあるときは遺言によることにする」と明記するなど
争いにならないような工夫も必要です。
■死後事務委任契約の結び方
まず、信頼できる相手を探すことが一番大事なことです。
相手が見つかったら、契約書で残しておきます。さらに公正証書に残しておくことをおすすめします。
上記ⅰ~ⅴに加え委任事項には下記のようなものがあります
ⅰ死亡したことを親戚、友人や関係者へ知らせる(通知)
ⅱお葬式を行うこと
ⅲ埋葬、永代供養、年忌法要を主催すること
ⅳ生前の医療費などの未払い分を代理で清算する
ⅴ身辺の整理、年金・介護保険の各種届に関する事務
・行政への手続き 届け出
・お墓の準備、改葬や墓じたくなど
・遺品の処分、デジタル遺品についても決めておくことが望ましい
・各種サービス、電話・インターネットなどの解約
・納骨 など
※亡くなった後の財産に関する権利は、相続人や相続財産管理人に引き継ぎます。そのため、受任者は、財産を利用することができません。銀行の口座は凍結されます。ですので、生前に死後の事務を行えるだけの費用を受任者に預けておく必要があります。
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