自分史の作り方③
自分史づくり③ 執筆までの準備
▮自分史づくりの基本工程
写真整理していてフォトブックに一言添えて自分史とするとか、
趣味の写真を一冊の本にまとめて、一点ずつコメントと思い出を書き添えて自分史とするとか、
自分史にはいろいろな形がありますが、ここでは、製本することを前提として書いていきます。
1、自分史の完成形をイメージする
作る目的と、誰に見せるのか考えて
どんな本にするのかイメージします。ここでよく考えて
ある程度決めておいた方がやる気がでます。
Ⅰ、外面
➀何冊作るか ②本のサイズ(大きさ) ③かける費用 など
Ⅱ、内容
➀自分を主役とした小説形式 ②趣味をテーマとした自分史
③コラム形式(例えば、今までの自分のメモ・文集・日記をテーマ別又は時系列に並べていく) など
自分の場合なら、幼稚園の頃描いた絵から、時系列に並べてみたいと思っています。
2、人生年表を作る
生まれてから現在までの、自分の出来事を大まかに記載していきます。
おおまかですので、何歳の時に社会ではどんなことが起きて、
どんなことが流行していたかを書いていきます。
いつ誰と出会ったとか、引っ越したとかを書き込みます。
この段階では、どうしても作業的になってつまらなく感じるかもしれません。
しかし、この年表を作ることで、この時代とこの時代はターニングポイントだから書きたいとか、
印象的な出来事が起きたから絶対書いておきたいなど、どこを取り上げたらいいかをイメージすることできます。
3、アルバム・日記・文集などを集める(素材集め)
🔳素材集めは、自分史の質を高めるうえで重要なポイントです。
だいたいは自分の記憶とは違っているものです。
成功したことより失敗談は、読む人にとっては面白いものです。
もし、失敗や挫折を笑い話にできるようなら
エピソードとして自分史の中に入れ込むといいかと思います。
そこには、客観的事実とその時の感情、いまはどう思っているか、
その出来事が今にどんな影響を及ぼしているかを書き込むといいでしょう。
(もちろん、自分しか読まないのだったら成功体験を書き連ねることも、
ある出来事を3割増しで書くこともいいかもしれません。
それは自分史ではなく小説になりますが、それがきっかけで、
文章を書くことが好きになり、趣味になったりするかもしれません。それはとてもいいことだと思います)
🔳自分の住んでいた地域を思い出し、よく行っていた場所を振り返ってみます。
「マッピング自分史」と呼ばれています。
フリーハンドで地図を描き、そこに町の様子や出来事、人間関係を書き込んでいきます。
手書きで書き込んでいくうちに、記憶がよみがえり書き込みが増えていきます。
また、時間があるのなら、訪れてみることをおすすめします。さらにいろいろな記憶がよみがえるでしょう。
🔳人間関係図をつくる。各局面で誰とどんな関係を持っていたかを図にします。
誰が自分にとってキーパーソンだったか、どんな人に助けられてきたかが見えてきます。
4、構成を作る
目次を作って、大まかな流れを作ります。
人間関係図、「マッピング自分史」、人生年表を見ながら決めていきます。
構成の組み立て方はいくつかあります。
Ⅰ、時系列に身の回りのことを書いていく
やはり自分史を残すなら生まれたときから順に書いていきたい方が多いかと思います。
自伝、英雄譚なども出生から書かれています。時系列に書くのが
一番オーソドックスな方法だと思います。
ただ、思い入れがない時代に書く気がなくなりますし、
なにしろ0歳から今現在までを書くとなると、完成までの道のりが長く途方にくれます。
ですので、記憶の鮮明で印象的な時代から書き始めるのもいいかと思いますし、
とりあえず15歳までをゴールに書き始めるというのもいいかと思います。
15歳まで終わったら、次は30歳までといったようにゴールを決めておくと、集中して書くことができます。
Ⅱ、テーマで絞る
例えば、「好きな旅行」だったり、「趣味」だったりとテーマを決めて書いていきます。
また、「学生時代」、「社会人時代」、と特定の時期に絞る、はたまた、「歴代ペットと私について」でもいいかと思います。
テーマごとに作ると、学生時代篇の次は社会人時代篇という様に、何回も作ることができます。
Ⅲ、コラム、エッセイをまとめる
例えば、コラム・エッセイなんて書いてないという人も、手紙、日記、自分の作品、文集などをまとめます。
コレクションした物にコメントを添えるのもいいかもしれません。
また、当時の日記に対して、今の自分が返答又はコメントする過去の自分との対話形式も考えられます。
作成途中に、これは載せたいと思う写真や
この風景は写真には残っていないけど、イラストとして描いた方がよく伝わるな、
など考えながら使えそうな写真はチェックしておくと、あとあと楽になります。
できれば、データとして保存しておくと便利です。
5、取材する
人生年表を作り、そして、家族写真や卒業アルバム、文集・日記・手帳などを集め、
「マッピング自分史」、人間関係図などを作ったところで、
もし、足りないものがあれば取材が必要になります。
取材相手には、失礼のないように注意を払います。
録音する場合は、事前に許可をとり、取材の目的、取材後の情報の取り扱いの説明をきちんとし、
原稿ができたときは必ず見せます。
長年音信不通だった人と再会するきっかけになるかもしれません。
6、原稿を書く
4の構成を作るところで、章-節-項と大まかな目次づくりをしてきましたので、
その中から書きやすいところから書き始めます。
書き終えたら、推敲をします。推敲とは誤字脱字や表現の適切性や、内容の矛盾ないかなどチェックしていくことです。
推敲は、原稿を書き終えてから少しまお開けることで、客観的にチェックできます。
書いている時は一人盛り上がって書いた文章も、
間をあけることで冷静な視点で感情があふれて部分的に浮いてしまっている個所を
適切に修正していくことができます。
また、推敲は自分で行った後に第三者にもしてもらいましょう。
第三者に見せること、自己流の言い回しや、相手にわかりにくい表現を指摘してもらえます。
自分の頭の中ではイメージがあるのでわかる部分も、読み手は文章しか見ません。
自分しか読まないのであればそれで良いのですが、相手に読んでもらう場合は、
適宜イラストを追加する、文章の工夫をするなど相手が読みやすいように書き換えましょう。
以上が、原稿を書く準備から書き終えるまでの一例です。
本にするにはこの後、編集⇒印刷用のデータにする⇒印刷所などに入稿する⇒校正⇒印刷⇒製本 という過程があります。
この辺に関しては後日書きます。
自分史は、動き始め、書き始めが一番大変ですが、
調子に乗ってくるとどんどん書き進めることができます。
あれが必要、これが必要と集めることも楽しくなってきます。
そして、時間をかければかけるほど、質は上がり奥深さが出てくるものだと思います。
是非、自分史が出来上がった時の達成感を味わってもらいたいと思います。