公証役場で作る遺言 -公正証書遺言-
遺言は「自分で作成する遺言」と「公証役場で公証人に作成してもらう遺言」がある
遺言には大きく2種類あります。
自身が紙にペンで書くことで完成できる「自筆証書遺言」と、
公証役場に行って、公証人に作ってもらう「公正証書遺言」です。
遺言の効果は同じなのですが、
作成に費やす費用や手間、そして、遺言の有効性や紛失可能性、相続手続きの面などさまざまな違いがあります。
(遺言の普通方式にはもう一つ、秘密証書遺言というものがありますが、だいたいは上記の2種の方法が選択されます)
一般的には「公正証書遺言」を選択する場合が多いです。
もちろん、財産の種類や、相続する人の数や状況
そして、遺言の作成に費用をあまりかけたくないという理由があれば
「自筆証書遺言」を選択した方がいい場合もあります。
公正証書を選ぶ理由って?
では、「公正証書遺言」作成を選択する大きな理由は何かというと、
書かれた遺言の内容が、その通りに実行される可能性が高いということです。
このことに尽きるのではと思います。
ではなぜ、遺言の内容通りに実行されるのかというと、
理由は大きく2つあります。
公正証書の強味は大きく2つ
まず1つは、公証人(過去に裁判官など法律専門職に長年従事してきた人)が遺言の
作成途中に関与してくれていることから、その結果作成される文書には、信頼があり、
正当に作られたものだと保証されているということです。
そして、2つ目は、作成した遺言の原本が公証役場に保存されているということです。
(作成した本人がだいたい120歳になるまで保存されるといわれています。)
なお、もしも天災などで流出しても、H26年4月以降の遺言に関しては、
日本公証人連合会の本部において二重に保存されています。
このことから、遺言が紛失するなどの可能性はほぼないでしょう。
上記の2点から、公正証書遺言にしておけば、遺言の内容通りに相続される可能性が高いのです。
ただし、「公正証書遺言」を作成したとしても絶対有効になるとは限らないことはご注意ください。